法定後見制度

既に判断能力が不十分かまたはそのおそれがある人に関して、後見人の選任を家庭裁判所にたいして行う制度です。後見人の職務には財産管理事務と身上監護事務がありますが、法定後見人はそれらを包括的に持ちます。法定後見制度には「後見」「保佐」「補助」の3種類があり、判断能力の不十分な順に「後見」→「保佐」→「補助」となります。どれに当たるかは、医師の鑑定により判断されます。

言葉で区別するには難しいですが、簡単にいうと一人では法律行為ができない人が「後見」、援助を受けて法律行為ができる人を「保佐」、一人で法律行為ができない場合がある人が「補助」のような表現になります。

それでは実務上どのような時に後見人選任の申立が行われているかというと、被後見人の不動産を売却する時に、後見人が売却して売却代金を被後見人の介護施設の費用にあてる場合、被後見人が相続人である時、被後見人を含めて遺産分割協議を行いたい場合等です。被後見人の状態にあっても何か法律行為を行う必要がある場合に申立が行われているのが実状です。

費用は司法書士報酬を含め15万円~30万円程度で、期間は1~4ヶ月程です。

後見人等が選任されると法務局に登記されます。